無線通信を利用した交通信号機を実現 ~ 自動運転車の実用に向けて ~

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1. 発表者

青木 俊介 (カーネギーメロン大学 計算機工学 専攻 Ph.D. Candidate)

Ragunathan Rajkumar (カーネギーメロン大学 計算機工学 専攻 教授)

2. 研究のポイント

    • 無線通信を用いた交通信号機 『サイバー信号機 (Cyber Traffic Light)』を提案・開発しました.

    • 自動運転車に搭載した無線通信機を用いることによって,自動運転車自身が時として交通信号機として機能します.

    • 工事現場によって狭くなった道路などでの利用が期待されます.

3. 研究の概要

自動運転車の実用化が期待されていますが,(1) 工事や事故等で一時的に狭くなった道や,(2) 地図情報にない交差点を安全に運転することは技術的に非常に難しく,公道での自動運転車の運用のボトルネックとなっていました.

カーネギーメロン大学 Real-Time and Multimedia Laboratory では,無線通信を用いることによって一時的に「目に見えない信号機 (サイバー信号機)」を用いて,複数の自動運転車を安全に交差点を通過させる手法を提案し,開発に成功しました.サイバー信号機の安全性については,カーネギーメロン大学で開発された自動運転車のシミュレータ AutoSim (上記動画) を用いて確認され,次いでサイバー信号機の実証実験を,ニューヨーク州立大学キャンパス内で自動運転車を用いて行い,安全性の確認に成功しました.

サイバー信号機によって,工事現場付近や,地図では交差点として扱われない地点での自動運転車の安全な運転が可能になります.また,暴風/豪雪によって自動運転車のセンサ類 (カメラやレーダー等) の信頼度が低下している際にも,サイバー信号機によって安全な運転を担保する事ができます.

本研究の詳細は,ポルトガルで開催されるサイバーフィジカルシステムと自動化に関する国際会議にて,2018年4月13日に発表します.

4. 発表学会

本研究の詳細は ポルトガルにて開催されるサイバーフィジカルシステムと自動化に関する下記の国際会議にて2018年4月13日に発表します.

学会名: ACM/IEEE International Conference on Cyber-Physical Systems (ICCPS) 2018

発表題目: Dynamic Intersections and Self-Driving Vehicles

発表者: Shunsuke Aoki and Ragunathan (Raj) Rajkumar

5. 添付資料

図. ニューヨーク州立大学 キャンパス内で行ったサイバー信号機 実証実験の様子 (左: 自動運転車 車内より 右: サイバー信号機)